jackpackerの日記

旅するアーティスト、Jackやで。バックパッカーの土産話、聞いてく?

【旅】弱小バックパッカーの奮闘記 世界一周の備忘録 vol.1 台湾

2015年5月17日 晴れ

 

 

「んじゃ、行ってくるわ!」

 

 

って中部国際空港までお見送りに来てくれた家族に、少し格好をつけてあいさつした。

少しでも自分の不安を隠すために。

その言葉は自分にも、周りにも。

 

なんてったってこれから知らない人、知らない文化、知らない場所、そして、知らない言語で過ごすんだからね。

自信たっぷりにふるまっていないと、すぐにでも「帰りたい」ってこぼしてしまいそうだったから。

それくらい不安だったんだ。

 

そりゃもう不安でいっぱいだよ。

 

 

それでも。

大きなバックパックを背中とおなかに抱えながら、国際線のロビーの列に並んだ。

自分の世界を広げたっくて。

 

汗ばむ右手には青いパスポート。航空券の予約のコピーは挟んである。

左手はおなかのバックを支えてた。

両脚はゆっくり、しっかり前に出した。

カウンターに近づくにつれて、不安も一歩ずつ大きくなった気がした。

 

「ぼく、これから世界一周に出るんですよ。」

なんてイキって受付のお姉さんに言ってしまった。強がり。

”世界一周”。

そんなつもりはないけれど、そのほうが、僕の旅は伝わりやすい。

 

武者震いか、不安からか。

どちらにしても、その言葉に震えたよ。

 

震えすぎて、カウンターのお姉さんに、

「安心してくださいね」って言われたもん。

 

でも無事に発券されたあとに、

「行ってらっしゃい!無事に帰ってきてくださいね!!」

って。

ゲートをくぐると、なんか心が、クって引き締まったんだ。

 

絶対に生きて帰るぞ。

そう心に決めた。

それから飛行機に乗るまではあっという間で。

とはいえ、搭乗ゲートを何度も何度も確認したけど。

 

あの飛行機の独特なにおいが、僕を機内に引っ張ってきた。

無事自分の座席に着いた。

今では慣れすぎてしまったけど、この時は機内アナウンスには従順に従っていたよ。

 

離陸までは、まるでカウントダウン待ちの宇宙飛行士みたいな気分だった。

 

シートベルトはしっかり締めて、座席は元の位置に。窓は開いてる。

ゆっくり体が後ろに沈んでいく感覚。

シートに体を預けて。

地面の摩擦で少しだけ、揺れた。

 

あの、車のエンジンを目いっぱいうならせても味わいようがない高揚感が、浮遊感と一緒にやってきた!

 

同時に「またね。」

ってどんどん流れていく日本の風景を眼下に見ながらつぶやいた。

そして、なぜかオカンへの感謝と早く会いたいって思いが目頭ににじんできたんだ。

 

3時間くらいのフライトだったと思う。

その間、僕はまるで出兵前の兵隊みたいにピクリと動かなかった。

これは緊張のせい。

 

おかげで、台湾の空港に着いて席を立った途端バキバキボキって体中から調節完了の合図が出た。

準備完了。

 

入国カードの書き方知らなかったけど。おかげで入国審査2回受けた。

 

入国審査も無事終わって、荷物を受け取って…

さぁ、宿に出発だ!!

とここまで勢いは良かった。でも交通手段を調べていない!!!

詰めが甘かった…

 

なので今回はタクシーで。

タクシー乗り場を聞き出すべく、ベテランそうなおばちゃんに英語で恐る恐る聞いてみたんだ。

「すみません、タクシー乗り場ってどこですか…?」

 

…。

返事がない。それまで笑顔だったおばちゃんの顔が一気に曇った。

「えっと…、タクシー…」としどろもどろに再度聞いたらわかってもらえた。

よかった!

どうやら英語が苦手な方だったみたい。

お互いニコニコして僕はタクシーへ。

 

日本ではタクシーに乗ったことがない。

でもこれだけはわかる。

このタクシーのスピード、速い!!!

どこか知らないところに連れていかれる?みたいな失礼すぎる不安が出るくらい不安になった。

でも、そんな心配なんて必要なく、無事に宿に到着した。

 

「Have a nice day!!」

って笑顔をくれた運転手さんも、Have a nice day!

 

あれ、僕って案外一人でもやっていけるのかも。

そう思った。そう思えた。

 

宿のチェックイン。ちゃんと予約もできてた。

お部屋は4人部屋。僕が部屋の初めの一人目で安心した。

シャワーやトイレは各階で共用。

 

2段ベッドの下の段。床から10センチ。このベッドが僕の部屋だ。

一人だなぁ。ごはん、どうしよう…。そんな考えを持ちながら、シャワーを浴びた。

それからベッドの隅にバッグを寄せて、それを抱えるようにしてグデンと寝転がった。

 

いつもと違うベッドの感覚。

少し低めのまくら。

バッグの重さの沈み。

 

そんな違和感たちにも、だんだん感覚が溶けていって、僕の世界一周1日目は終わった。

Don't miss my next episode.