jackpackerの日記

旅するアーティスト、Jackやで。バックパッカーの土産話、聞いてく?

【旅】弱小バックパッカーの奮闘記 世界一周の備忘録 vol. 17 フィリピン

 

前回の記事はこちらー!!

 

 

jackpacker.hatenablog.com

 

今回は…

本当にあった怖い話。

だよ。

 

 

師匠との出会いも衝撃的だったけど、ある出会いもインパクトでかかった。

 

週末になると酒場に繰り出す学校の人たち。フィリピン人スタッフも一緒に。

この学校ではみんながあっという間に仲良くなれる。

みんなは家族というより、兄弟姉妹みたいな。

めちゃくちゃアットホームな環境。

 

その中であるフィリピン人スタッフA君と仲良くなった。

確か、僕より3つ若かったから当時16歳の青年。

僕らの洗濯ものや清掃などしてくれていた。

前々から仲は良かったけど、改めて仲良くなれた。

 

身の上話や、家庭料理の話で盛り上がる。

バナナを春巻きの皮で包み、揚げたTuronや、オムレツをつまみながら。

ノリでお酒も入ってきた。

熱いフィリピンでは飲みやすいアルコールが多い。

ビールもアルコール弱めだし、リンゴ味のものもある!!

たまにぬるいけど、それでもいい。

この時初めてラムの味を知ってしまった。

 

まだお酒の加減も知らなかったし、ジュースみたく飲んでしまった。

ラムコーク、う、うめぇ…!!でも、にゃんだか、眠くぅ…

あ、この曲知ってるぞ!!歌うぞ―――!!!

近くの人と肩を組み歌う。ふらふらオラオラ。

と、嫌なテンションになってた。らしい。

 

次の日も朝が早いので、早めに寝なさいな、と兄さん姉さんから言われたので

よいしょと腰を上げると、ふらふららーー・・・。

見かねた人たちがフィリピン人スタッフにエスコートを頼んでくれた。

(すいません、ありがとうございました。)

 

エスコートには、A君と調理担当のありえんほどでかい巨漢

二人に手を引かれて寮に戻る。

歩けるには歩けるけども、危なっかしい足取りで道路を渡る。

A君の先導で無事にわたりきった。

ちょっと門の前で待機。

巨漢の手がむっちり・冷たい。イメージ、蛇だな。あの感覚は。

その手がなんか、手から体のほうに這うようにして移動してきた…

 

う、うわぁぁぁぁぁ…。とも声は出ないし、『漢 × 漢』の関係?

が当時の僕には遠いもののように感じていたので困惑していると

A君が気が付いて、盾になってくれた。

そのあと、巨漢が「じゃ、じゃあ、明日の仕込みがあるから…」と調理室に消えた。

A君、巨漢を退治。かっけぇ。

 

そのあと、僕の部屋が上階だったこともあり、部屋の前まで連れて行ってくれた。

様子をうかがいながら、気を付けて!と一声かけてくれ、その日は別れた。

酔いを醒ます意味でも、シャワーを浴びた。

頭がさえていった。

 

シャワーから出るとベランダに面していて、

腰の高さくらいの棚にバスケットボールが転がっているのが見えた。

あ、このまま下(ベランダの外)に落ちたら危ないから部屋に置いておこう。

そう思って下着だけつけてボールのほうへ向かうと

コロコロ…コロッ

 

お、落ちた―――!!!

全力疾走して慌てて確認したけど、

ボールがない。

そして、耳を澄ましてみた。

階段のほうに落ちたのかも…

 

それらしい音もしない。

代わりに

タッタッタッタッタ…

というえた。駆けていくような音が聞こえた…。

 

酔いもあったし、なんだかつかれた。

寝よう。

 

次の日、いろんな人たちから「”ちゃんと”帰れた?」

と聞かれたので、「はい、無事帰れました!」と返すと

すこし意外そうな顔をされた気がした。

そして、

「おはよう、JACK!もう大丈夫かい?」

昨日のA君だ。

昨日のお礼を言うと、「なんかあったら言ってね!」

と返してくれた。本当に頼りになる。

「じゃ、またあとで!」

 

授業が終わると僕は日が暮れるまでバハイクボ(フィリピンの高床小屋)で

宿題やら予習するのが日課だった。

その日も相変わらず勉強していると、A君が誰かから教わったであろう日本語で

「オツカレェィ」とあいさつしてくれた。rの発音ちょいと癖は強かったけど。

そういう感じで、友達としての絡みが増えた。

 

一方、巨漢のほうは会うと伏見がち。

しょぼんと大鍋をまぜてた。

 

その日から毎日A君は僕のバハイクボに顔を出すようになった。

話す話題といえば、「彼女いるの?」とか「趣味は?」とか

そんな感じだ。

しかしある日、「ねぇ、なんでそんな優しいの?笑」

と聞いてきたので、「知らん、これが僕の性格だし。」と答えると

「ふぅん…。…ねぇ、なんでそんな優しいの?笑

なぜA君は2回同じ質問をする…!?

改めて同じ返しをした。すると今度は肩に手をまわしてきてこう呟いた。

「…ねぇ、なんでそんな優しいの?」

 

いや、こえーわ。もうキスしそうな距離じゃん。

え、なにこれ。これがフィリピンでは普通なん?

混乱しながら、「ごめん、宿題があるから。」と言って追い払った。

そのあとなんて、宿題どこじゃないよ。

 

そのことを同期に話すと

いや、知ってたんだけど、A君JACKのこと狙ってるよ。

 

知ってたんかいっ!!!やられた

 

はい、そういうことでした。灯台下暗し。

僕はストレートだし、当時付き合っていた彼女もいた。

てか、その子に会うためにも旅をした節があったのに…笑

モテキ来た?…いや、いらんわ!!!笑

A君ごめんよ、僕は友達以外の何物でもない。

でも次の日からあっけらかんとするのも違うので、普通に接することに。

友達だし、恩人だしね。

 

次の日、相変わらずの調子で話していると、A君。

「この花知ってる?花言葉”純粋”なんだ。」

白い小さな花を見せて彼は仕事に行った。

うーーーーん?? 

 

その日僕は宿題が多く出されたのでいつもより長めにバハイクボで

勉強していると、太ももに何かが触れた。

足元を見てみると白い花束が。

小屋の天井の飾りでも落ちたかな…?

上を見る。いや、そんなものはない。

風か…?左右見回す。外はもうすっかり暗くなってしまった。

でも、その”花”の木は見当たらない。

 

あぁ、考えたくねぇなぁ…

そうだ、きっと誰かのいたずらだ!

そう思って、恐る恐る後ろに首を向け暗闇をのぞき込む。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いた。

 

 

A君が体をかがめて、暗がりに身を潜めていた。

呼吸のリズムで体が軽く浮き沈みする。

 

逃走中、開始します。

その晩は一晩中逃げ回った。

ホラゲだよ、ホラゲ。

 

そのあとから軽度の付きまといはあったものの、卒業まで実被害はなかった。

防衛成功。

…ん?まてよ?洗濯係…?んーーー…???

(考えない。)

 

卒業後、Facebookを見ていたら、A君の投稿に気になるものがあった。

僕の写真だ。彼の撮ったものではなく、僕のページから”盗った”ものだった。

キャプションにはカラフルなハートマーク。

OH my…

 

ここまで書いているが、LGBTの人たちに嫌悪感はない。

なぜ、ここまで書いたかというと、A君が若干ストーカー気味だったからだ。

実際に僕の友達にもLGBTの友達はいるし、大変な思いをしていることも

知っている。LGBTは、立派な個性だと考えている。

 

どんな愛も、加減が重要。

to be continued