jackpackerの日記

旅するアーティスト、Jackやで。バックパッカーの土産話、聞いてく?

【旅】弱小バックパッカーの奮闘記 vol. 24 世界一周の備忘録 ベトナム

 

前回の記事はこちらー!!

 

jackpacker.hatenablog.com

 

ベトナムの朝。

宿の2階の僕の部屋から

トントンと音を響かせながら冷たい金属の階段を降りると、

オーナー一家が子供たちの学校の準備をしていた。

 

ノロノロと外に向かおうとしていたら、

「今日お昼暇?よかったら料理をふるまうわ」とオーナーから

うれしいお誘いをいただいた。

ぜひ!という返事にオーナーは満足げな顔を浮かべていた。

 

では、またあとで!と声をかけて出かける。

そして近くの公園などを散策することにした。

公園には健康のためか、様々な運動器具が並んでいたり、

おばちゃん集団が少林寺拳法かラジオ体操のような運動をしていたり、

散歩するおばちゃんの手には、例の犬退治の棒が握られていたり。

公園の沿道沿いには、びっしりとバイクやスクーターが停まっていた。

 

エスニックな空気を改めて感じた。ちなみににおいもエスニック。

そんなベトナムは、ちょっぴり僕の冒険心を刺激した。

そこで、もう少し散策することにした。

そこまで遠くに行く自信はなかったので、本当に少しだけ。

 

大通り。道にひかれた車線なんて関係なく、ひっきりなしにバイクが走っている。

バイクも一人乗り、二人乗り、3人乗り、(と豚一匹。)

などなどいろんなライダーがいた。

他にも、街には日本語の看板や、『日本に行こう!』みたいな

スローガンをよく目にした。

これは、2015年当時、日本への技能実習が流行り始めていた影響だと思う。

今でも技能実習を通じて多くのベトナムの方が来日している。

それだけ日本が信頼に熱いんだと思うと誇らしかった。

 

なるほど、日本語教室もある。

街の看板、あれは…、ドラえもん

ドラゴンボールの梧空のTシャツは残念ながらよれよれだ。

日本のアニメ最強。

 

ホーチミンのはずれの郊外を街歩きして、雰囲気を楽しんだ。

時間はお昼時。そろそろ宿に戻って食事をいただこう。

ようやく慣れてきた道を目指して、今まで来た道を戻る。

…着いた!

 

ロビーにも入ると、オーナー奥さんは調理中らしく、

代わりにオーナーの旦那さんがこちらに向かって手招きしていた。

初めましてだ。にっこり笑って挨拶しようと思ったら、

「こんにちは。」と日本語で挨拶してきてくれたのだった!

どうしてわかるんだろう、と思って質問したら、日本で働くために

日本語を若いときに勉強したのだそう。日本にも何回か行ったとのこと。

「長野でしたスキーが一番楽しかった。ここではできないことだから。」

本当に流ちょうに日本語を操っていた。

「ちなみに子供たちも勉強中だよ。」そう聞いてますますうれしくなった。

 

今にして思えば、相当努力して日本語勉強されたんだな、と。

そして、こんなに日本を好きでいてくれているのは、ありがたいことだ。

さらには自分の子供にもその魅力を伝えてくれているんだ。

こうして国と国の関係っていい感じになっていくのかな。

と、そう思った。

 

テレビでは、ちびまる子ちゃんが流れていた。

【コラム: 技能実習生】

最近、コンビニや喫茶店、作業現場なんかで外国人の方をよく見かけませんか?

必死に覚えて慣れた日本語で、「いらっしゃいませ」。

日本の接客は世界一だとすると、それに従事する彼らの努力は計り知れない。

 

技能実習生として主にアジアから優秀な若者が日本にやってくる。

日本とベトナムをはじめとした関係国との良好な信頼関係が続けばいいのだが、

近年では技能実習生の日本での職場環境が悪かったり、

労働内容や低賃金に悩む実習生は少なくない。

それに加え、外国人に対する差別問題も根深いため、

実習先として日本を選ばなくなっている現実がある。

また、日本で生活、働くうえで重要な日本語習得のサポートもかなり弱い。

ベトナムの場合、日本に派遣が決まった技能実習生は、

(組織にもよるが)おおむね数か月間ベトナム日本語教育を受けて日本に送られる。

しかし、数か月の教育では十分とは言えないのは想像に難くない。

そこで、来日後は各自治体や民間団体、

さらには企業がボランティアで日本語教育を行っている場所もある。

ただし、その存在を知っているかどうか、継続して本人が勉強できるかどうか。

そんな問題もはらんでいる。

最近は技能実習生も日本以外の国、

韓国やタイなどに派遣されるケースも多く、日本に比べ待遇もいいため、

このまま日本が襟を正さないと、関係諸国との関係まで悪化しかねない。

 

僕自身、ある街の日本語教室で1年間日本語教師のボランティアをさせてもらった。

そこに通学していた人たちは、東南アジア、中央アジア、南米などから来ていた。

ちなみに年齢も様々。(7歳~50代)

学習意欲は人それぞれ。日本語検定を積極的に受ける人、ずっと通ってくれた人、

授業についていくのがやっとでも頑張った人、いつの間にか来なくなってしまった人。

そんな生徒たちが口をそろえていってくれたのが、

「(辛いこともあるけれど)日本で生活がしたい!」だった。

そのために、日本語を学ぶ意思を示してくれた。

中には働いている職場の不満を愚痴る生徒もいたが、

「不満は恐れ多くて言えないよ。僕らは招かれたんだから。」

といって、はにかんだ生徒もいた。考え方もまるで日本人だ。

旅人の僕にとって、「考え方が変わる」のは、とてもよくわかる現象だ。

そんなこともあって、異国の地に来る彼らにとても親近感を感じた。

 

だから、いつか彼らが本国に帰った時、

日本の印象が悪かったら。

日本人の印象が悪くなってしまったら。

そう思うと、とても怖い。

 

そして彼らにとても申し訳なく思う。

 

 

 

当たり前のことだけど。

僕らは生まれた国こそ違うが、

やっぱりおんなじ人間なんだよ。

 

to be continued